夜と昼
やっと、夜職をやっている事が過去のことにできる。
夜職を始めたのは確か、18歳半ばの頃で、スカウトされて軽い気持ちだった。
初めて出勤した日のことは4年経った今でも鮮明に記憶していて
緊張しながら知らない男の人の家に行って
性欲処理道具として使われた。対価として1万5000円くらい貰った。
その日は体験入店として行って、3万くらい手に入った。簡単な仕事でこんなにお金が貰えるのか。
それから塾と居酒屋のバイトも世間体として続けながらの生活が大学卒業まで続いた。
夜職をして変わったことがいくつかある
まずは給料日やシフトを一切考えなくなった。給料日なんて来る前に出勤してしまえばその日が給料日となって毎回3万〜5万は手元にくる。
2つ目、ラブホが職場になって知らないホテルがなくなった。市内のラブホ街は全て把握済み。プライベートでどの男と行っても新鮮味が無くなった。ビジネスホテル(ビジホ)も、市内の自宅も沢山行って、色々な男の人を見た。
3つ目。とにかく金銭感覚が狂う。安いものと高いものの見分けが付かなくなった。モノの価値って何で決まるんだろう、と思いながら1着1万超えの服を沢山揃えて仕事のストレスを発散した。
4つ目。オッサンと寿司や焼肉、料亭に行って美味しいご飯を食べたりして安い居酒屋に行けなくなった。これは話すと少し生意気だと思われるかも知れないけれど、いい経験になったと思う。
5つ目。人前で裸になることが恥ずかしくなくなった。貞操観念が皆無になったせいかもしれないけれど、初対面の人と60分以内に事を済ませるには、裸になる段階で恥ずかしがってては仕事にならないのでこれは仕方がなかった。
6つ目、男の人とタダで行為をすることを望まなくなる。行為=対価という考え方になるけど、逆に対価さえ貰えれば何でも出来てしまうのが難点。新しい彼氏が出来ても未経験なことがほぼない。ひっそり彼氏に残念な顔をされて凹む。ほとんどの内容が既習だったら教えることもなくなるから教える方としては面白くない。何度過去を塗り替えられたらいいかと考えたか分からない
唯一メリットと呼べることと言えば、目上の男の人と会話することに躊躇しなくなった。どうせあの偉いオッサンも風俗行って女の子に性癖晒してんだろうな、なんて考えたりすると全く緊張しなくなったのでおかげで面接とかは気楽にこなせる。
世の中にはお金を払わないと女の子に相手をして貰えない人や、奥さんとセックスをしないけれど風俗嬢は呼ぶって人が沢山いる。とにかく私はオッサン受けが良いロリ顔だったので既婚者だらけだった。自分が結婚して旦那さんが出来ても風俗に行ってるんだろうな、という目で見てしまうかもしれないけれど、対価がある以上はサービスとして割り切る風俗嬢とされる方が不倫よりよっぽどマシかもしれない。
一つだけ勘違いして欲しくないのは風俗嬢はお金を稼ぐ最終手段では無いし、消して楽な仕事でもないということ。誰でも出来る上に若い女の子にとっては大金が手に入る唯一の手段だということ。
この感覚に慣れてしまった私は4年も辞められなかった。幸い、性病にもかからずに犯罪にも(ギリギリ)巻き込まれずに年間100万くらいは良く稼いだ方だなと思う。
お金を稼ぐためにストレスを溜めて、そのストレスを発散するためにお金を使って、本当にめちゃくちゃな生活をしてたと振り返って反省する。
普通の恋愛って何だっけ?普通のセックスって何だっけ?
そんな事この仕事を経験しなければ思わなかっただろうな。
母親にも友達にも、今の彼氏にも申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、未だに自分のことを大切にするってことが理解出来ていないので、自己肯定感は低いけどプライドは高いっていう若い女の子は特に気をつけて欲しい。
金銭感覚と貞操観念は1度失ったら戻ってきません。